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創作に関するメモなど。
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 リハビリお題1作目はPSOSSでご披露ということになりました。

 作中に出て来る『マグ』というのは「育成可能な特殊防具」のことです。私の二次創作の中では、ほとんど愛玩動物と同列の扱いをしております。

 用語などは文中で解説を加えるべきでしょうが、SSだとテンポが悪くなってしまうような気もして…。

 何にせよ久々にはーくんを書けて(ちょっとだけど)楽しかったですw



『081 争奪戦:PSO』


 Ult(アルティメット)区画、坑道エリア2。

 押し寄せるギルチックの群れをトラップで牽制しインペリアルピックの一閃で薙ぎ倒し、常に先頭に立って活路を切り開くのはHUcastであるHALKILEEKの役目だ。
 トラップの効果範囲を逃れ、HALが得物を振り抜いた隙を狙おうとしたエネミーを、後方からの援護射撃が弾き飛ばす。部屋の入り口付近に注意深く陣取ってライフルを構えるのはRAmarのCAGE。仮面の下の瞳をすいと細めて混戦の様相を呈する周囲の状況を見極めながら、最も的確な場所に支援の攻撃を叩き込む。レンジャーの本領発揮といったところか。

 そんなCAGEのそばを駆け抜け、HALの横さえすり抜けて、まだまだエネミーが数多くひしめく部屋の奥へとダッシュする、

「HARUKI!?」

 二つの影。

 二人の人物に対してHALは一つの名しか呼ばなかったが、ギルチックの大群にまるで怯むことなく走り抜けた彼女と彼とはどちらもHARUKIという名であったから、問題はない。そもそも二人のHARUKIはHALの声など最初から認識してもいなかったし、彼女と彼とがいま考えていることはただ一つ。視線の先にあるのは四つのアイテムボックス。

「馬鹿野郎ッ、突っ走るんじゃねえッ!!」

 CAGEが叫ぶ相手は男性-FOmar-のHARUKI。

「待てッ、奥へ行くな!!」

 HALが慌てて後を追おうとする相手は女性-FOmarl-のHARUKI。

 鳴り響く警報音。
 二人のHARUKIの行く手を塞ぐがごとく、バランゾの巨体が出現。
 真正面に現れたエネミー、二人のHARUKIが対処するのかと思いきや。
 FOmarlとFOmarとはものも言わずに左右に散開。バランゾをきっぱり迂回してアイテムボックスにまっしぐらに駆け寄った。

「ちょっ…!! HARUKIーーーッ!!」

 絶叫したのはHALであったかCAGEであったか、あるいは二人ともであったのか。

 必死の想いで駆けつけたHALが大量のミサイルをばらまかれる前にとフリーズトラップでバランゾの動きを止めるも、隙が生じた背中を忍び寄っていたギルチックに張り倒された。
 
「こんなトコでアイテムダッシュすんじゃねええええッ!!」

 続いて放たれた、悲鳴じみた抗議の声はCAGEのものである。
 が、二人のHARUKIの耳にそれが届くことは、なく。

     +++++

「……いいか、HARUKI……」

 どうにかこうにか寄せ来るエネミーの大群を始末した、HALとCAGE。ギルチックに殴られまくったHALはcastのくせによれよれになっているし、凍結状態から回復したバランゾを一人で走り回って自滅させざるを得ない羽目になったCAGEはぜえぜえと息を切らし、ライフルに縋りついてようやく立っているような悲惨なありさまだ。

「アイテムボックスの中身を奪い合うのはハンターとしてやってはいけないことだとあれほど言っただろう…! ましてやその区画のエネミーを全滅させる前に我先に駆けつけようとするなどと、許されざる蛮行だ…! …いや、わかってる、わかってるんだ、HARUKIはもうとっくにそんなこと理解してるよな…だから他のエリアじゃやらないものな…ならば俺は敢えて率直に、言葉を選ばずに言おう……もう我が家にマグはいらんだろ!!!!」

「何てこと言うのかなはーくんは! マグは必要だよ! 何玉でも必要だよ! あればあるだけいいんだよ!」

「いらん! 必要ない! むしろもう養い切れん!」

「おいHARUKI、お前ももういいだろ…!? 一体何玉あると思ってんだよ、限度ってモノがあるだろうが!」

「うるさい」

「ってかマグ伸びてるけどいいのかよそれで」

 CAGEが指摘する通り、FOmarlとFOmar、二人のHARUKIが左右から掴んで大人げなく引っ張り続けているものだから、アイテムボックスの中から取り出されたばかりの生マグは妙なかたちに伸ばされてしまっていた。きゅぅうと苦しげな鳴き声さえ聞こえてくるではないか。

「兄貴が離さないからこうなるの!」
「お前が離せば解決する」
「いやだ私の方が先にこの子を拾ったんだ」
「何を言うかお前は完全に出遅れてた」

 まったく同じ顔で罵り合う二人のHARUKIの間で、もちのように引き伸ばされている生マグのありさまは痛々しいばかりだ。

「……なあ、あれって多分先に手を離した方が本当の親なんだよな」
「いつの時代の話だ……」

 HUcastとRAmarとがげっそりしたカオでなす術なく軽口を叩き合う前で、HARUKI達のいがみあいは続く。
 坑道エリアに降下してマグが転がり出る度に、この手のやりとりが延々繰り返されるのである。疲労も溜まろうというものだ。
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